1.やっと分かってきた歯周病の事実とは?
  

最近の研究で、歯周病や歯槽膿漏が、重大な病気を引き起こす原因になったりしていることが、徐々に明らかになって来ていますが、あなたはご存じでしたか?

以前は、若い人たちとは無縁の病気でしたが、最近では若い年齢層(10代の若い年齢層の方をも含む)の間にも、この歯周病に罹患する人々が徐々に増えてきています。
しかし、この病気の怖さについては、意外に知られていないのが現状です。

例えば、妊婦が歯周炎をもっている場合は、口腔内の炎症が血流を介して、子宮内の胎児の成長にも影響し、その結果として、低体重児を早産する確率が非常に高くなります。

歯周病が心筋梗塞の原因に、糖尿病を悪化させる要因に、また糖尿病を引き起こす要因にもなっています。
口腔内の衛生状態が悪いと、インフルエンザにかかりやすくなったり、肺炎を引き起こす原因になることなども報告されています。
歯周病菌が悪玉コレステロールを増やすことも報告されたばかりです。

歯が抜けてしまい、入れ歯を使用しなければ、アルツハイマーの危険度が2倍に、使ったとしても、1.2倍にリスクが増すなど。
この様に、体全体への影響が様々にあり、人生にも大きな影響を及ぼす事にもなりかねない事実が、次々に報告されています。

ご年配の患者さん達を診療している時、彼等が異口同音に良く話されること、それは、年を取って一番の楽しみは、“食べること”であると

ところが、歯周病や歯槽膿漏になってしまうと、歯がぐらついて良く咬めなかったり、歯が抜け落ちてしまい、総入れ歯になり唾液の分泌量が減少し、いつの間にか味に鈍くなってしまったり、分からなくなったりと、彼等が生活していく上で大切であると話されている“食の楽しみ”と言う部分を、失ってしまいかねません。

人生の後半にさしかかり、徐々に出来ることも少なくなっていく中で、“食の楽しみ”がこの様にして奪われてしまうことは、とてもわびしく寂しいことです。

2.ベストな対策は?

では、どの様な対策が考えられるのでしょうか?
私は、歯科医院と鍼(はり)治療院の、治療を組み合わせるべきであると考えています。
その理由は、それぞれが持つ治療上の特徴にあります。
この症状に対して、歯医者さんでは、切開・殺菌・消毒と言うところに主眼が置かれた処置が施されています。
しかしながら、傷は癒えても、その後の血流の改善が思わしくないところに歯周病を治癒させる至らない問題点があります。

鍼治療は、殺菌や消毒に対して直接的効果は望めませんが、この処置後の血流の改善、そして免疫を高めるという点において、大きな力を発揮することが出来るのです。

3.血流の改善こそ鍼の特徴!

「循環や免疫の改善ならば、他にも手段があるんじゃないの?」という声が聞こえてきそうですが、鍼と他の手段では明らかにその効果の差に相違があります。
その相違点というのは、改善の速度と、その後の持続性にあると言えます。

例えば、次のようなことがありました。
膝の関節炎で通っていた42歳の患者さんが、殆ど全ての歯を、歯周病で抜かざるを得なくなり、
その後、インプラントにするための手術を致しておりました。
その患者さんのあまりの酷い口臭に、お話を伺ったところ、

「現在抜歯して、インプラントにするための手術を受けているところです。

本数が多いので、度重なる手術に、歯肉がぶよぶよしてしまい、なかなか引き締まってきません。

ある程度回復するのを待ちながらの手術なので、時間がとてもかかっています」

とのこと。
そこで、歯茎の治療に、鍼が極めて有効であることをお話しして、同時進行で治療することをお勧めいたしました。
すると、赤紫色にただれた色をしていた歯茎が、数回の治療で、みるみる薄ピンク色に引き締まり、
通常の半分の期間で、インプラントの手術が出来てしまい、歯科医さんが驚いていたとのことでした。

筋肉内の循環であれば、運動によって容易に改善させることが出来ます。
しかし、歯肉は筋肉とは違い、運動性が乏しい組織で、更に現代人のように食事などの際、噛む回数が少なければ、循環は極めて悪くなります。
そして、その様な状態の組織は、病原菌に対しても抵抗力が落ちてしまうのです。
ところが、口の中には信じられないほどの、非常に多くの病原菌が存在しています。
また、仕事などでの出先で、歯磨きなどしなければ、口の中の衛生状態は、更に悪化してしまいます。
すると、徐々に抵抗力の落ちている歯茎は、病原菌に侵されていき、いつの間にか歯肉炎を起こし、
歯周病が侵攻し始めるのです。
一端、歯周病や歯槽膿漏になってしまうと、これを改善し治癒させることは、なかなか難しくなってしまいます。

4.こうして鍼の効果を知ることが出来た

そんな中、様々な治療法が試みられてはいますが、鍼の即効性と継続的効果は際だっていると私は考えています。
しかし残念なことには、鍼の手法は様々で、統一された一定の方法が無く、全ての鍼師がこの技術を持っているわけではありません。

つまり、一定の効果を生み出すことが出来、そしてどの鍼師が施術しても同程度の効果を上げられる伝えうる治療法を持っている鍼師が非常に少ないと言うことです。

しかし、私は研究の結果その伝えうる技術を見出すことに成功しました。
また、この歯周病の治療法は、基本的な治療範囲が、他の病気のそれと重なっている為に、患者さん達も思わぬ別の症状の改善の結果に喜ばれることも度々なのです。

全ての病に対して万能と言うことは当然出来ませんが、歯周病を初めとして、頭痛・扁桃炎・副鼻腔炎(蓄膿症)・ニキビなど顔の症状・女性にとっては美容(あごの線もくっきり、これには個人の状況や年齢の影響もありますので、効果は明確にありますが、個人差があります)・アトピー性皮膚炎で赤黒くなった顔が3~5回程度で普通の皮膚の色に・花粉症など・アレルギー性鼻炎・円形脱毛症・めまい(難病のメニエル病も全てと言うわけにはいきませんが強い症状があっても治癒するものもございますので、諦めずに御相談下さい)等々、肩から上の症状だけでも優れた効果があるのです。

 

その様な訳で、私は肩こりで来院された患者さんに対して、問診時に上記致しました症状のあることを確認しておき、研究の結果開発した治療法を付け加えて治療を致しておりました。
すると、治療直後もしくは数回たった後に、本人も気が付かぬ内に、先程の症状に様々に良い変化が現れ、思わぬ結果に、患者さんの喜ばれるケースを度々見てまいりました。

この様にして、患者さん達の無意識下で治療を施す事は、精神的な影響を排除し、明確にそれ自体の持つ物理的効果を証明することになります。
そして、その治療法を未だ技術のない若い治療師にも、確実に伝えうる方法として確立するに至りました。
これからは、若き治療師達の育成にも力を入れていきたいと考えております。

   
 備考
 歯周病と言われた時、そして歯がぐらつき、歯医者さんで「抜歯しかない」と診断された時でも、諦めずに一度御相談下さい。
 

 

 

 

       鍼 上川路  ☎ 03-5985-4587