肩・肘(ひじ)の痛み

 

◆ Aさん 女性 (52歳)

 

整形外科で四十肩・五十肩と診断された初期の患者さん52歳女性 Aさん、

早期だったので、強い痛みを抑えることができ、治療は4回で終えられた。

 

(※ 悪化し相当な痛みで、横になることの出来ないような状況のものでも、少なくとも痛みが激減し、数回の処置で、横になり、眠れるようになる患者さんがほとんどです。)

 

胸郭出口症候群

 

◆ Aさん 男性 (42歳) 

 

「右側の肩と、肘(ひじ)に痛みがある」と来院されました。

Aさんは、とてもスポーツ好きで、時間が許す限り、ゴルフやテニスをやっているとの事でした。

診察してみると、首から鎖骨周囲にかけて、さらに肩口から上腕、そして肘にいたるまで圧痛(圧した痛み)がありました。

そこで、次のような質問を致しました。

 

「荷物を抱えるようにする時に、特に肘周辺が痛みませんか?」

「ええ、そうですね」

「ハイネックやトックリセーターのような衣類が苦手ではありませんか?」

するとAさんは「最近、確かに何か息苦しいような感じがするので、身に着けていません」と。

また、「丸首シャツの上のラインが以前より上方に上がってしっくり着ていないのではないですか?」

Aさんは「確かに着心地があまり良くない」と答えられました。

 

幾つかのテストも行い、首から鎖骨周辺の筋肉や、靭帯による神経圧迫による痛みと診断致しました。

Aさんは「ゴルフやテニスをやり過ぎて当然テニス肘かゴルフ肘と言われるに違いないと思っていた」との事でした。

 

この症状は、良くゴルフ肘やテニス肘と誤診されておられる患者さんがいらっしゃいますが、三角筋(肩口の腕を上げる筋肉)の筋力不足や、フォームの悪い事が原因で、良く引き起こされる症状です。

 

こうなると、首が太くなってきて、肩が少し盛り上がってきます。

殆どの患者さんが「太った」と勘違いされておられる事が多いようですね。

 

筋肉疲労を起こし、肩がこったり痛みを出すと、筋肉に力を入れたとき同様に、筋肉が硬く太くなってきますので、太ったように感じてしまうのです。

 

更に、肩の筋肉の盛り上がりで、丸首の衣類は、その部位の面積が広がるために、当然、後ろに引っ張られてしまい、前側の襟首のラインが、上方に上がって、着こなしも悪くなるのです。

 

この症状は、鍼治療では非常に効果のある種類の症状です。

しかし、病院などでの牽引では、なかなか効果の出にくい症状でもあります。

この痛みは、育児中の母親にも多く見られる症状です。

 

特にきゃしゃな女性が出産し、育児をし始めると、抱き上げるための筋力不足で、首周辺の筋肉に負担がきてしまい、この症状を出してしまいがちです。

 

肘(ひじ)の痛みには、この他にもいわゆるテニス肘、ゴルフ肘などございますが、誤診の対象になりやすいのが、上腕2頭筋の下側にある上腕筋の痛みです。

 

テニス肘やゴルフ肘と言うのは、手のひらを前に向けて、肘を曲げると、しわができますが、そのしわを外側にたどっていくと、前腕の骨にぶつかります。

その位置から指に向って関節をこえて、7~8cmの範囲のこぶしを握ると筋肉が盛り上がる所があります。

特に、その周囲が力を入れると痛む症状ですが、その部位を含み、肘の内側や、前面の奥にも痛みを感じるものもございますので、「なかなか治療をしているのに治らない」と言う場合には、この上腕筋の異常を疑ってみましょう。

 

上腕の痛み

 

これは髭剃りをしたり、はさみなど長い時間持ち続けて、肘を曲げた状態を続けていると、肘を伸ばそうとした時に、痛みを肘の内側や外側に感じるものです。

また、PCなどのキーボードなどを長い時間打ち続ける方にもみられる症状です。

 

この症状もまた、ゴルフやテニスをしている方々は、それをしているという事で、簡単にゴルフ肘・テニス肘と誤診されてしまいますので、やはり「なかなか治らない」と思われたら、この症状を疑いましょう。

 

頑固な肩こり

 

◆ Sさん 男性 (49歳) 

 

強い肩こりと、文字が少し見えづらいと言う事で、来院されました。

16年前、33歳の時に大学病院で弁膜症の手術をしました。

不整脈は依然として続いており、大学病院へは定期的に通院しています。

めまい、吐き気がしたり、年に数回意識が瞬間的になくなり、先日も電車内で失神してしまいました。

困ったことに、失神と共に失禁もあります。

2~3日前に見た映画を忘れたり、仕事で誰と話をし、どんな仕事をしていたかなど、思い出す事ができません。

 

このような状態に自信をなくしておられました。

大学病院での診察の結果は「失神の原因はよく分からない」との事でしたが、脳血管の一時的な攣縮(れんしゅく)による血流障害と私は考えました。

触診してみると、首全体に異常に強い圧痛と緊張があり、その影響を受けて、肩から肩甲骨、鎖骨下部にかけても、やはり同様な症状が認められました。

 

他にも、多くの全身症状がありましたが、首周辺の症状がもっとも重要と考えて、首全体の緊張緩和を中心に治療を進めてまいりました。

 

この治療は長丁場となりました。

回を重ねるごとに、首・肩の緊張は緩和され「文字もはっきり見えるようになってきた」と、Aさんは話しておられました。

治療の1年目には2回の失神がありましたが、その後は、めまいはあるもののチョッと気分が悪くなる程度で、失神するほどの事はなくなりました。

 

3年目になる頃には、不整脈・めまいによる意識障害・記憶障害も全く消えてしまいました。

「非常に調子も良くなった」と、6年目の治療に入った時に、治療をご自身の判断で休まれました。

しかし、4ヶ月経過後、不整脈が再発し、軽いめまいがあったと再度来院されました。

現在(8年前)は、不整脈・めまい共に消失して、体調も良好との事。

 

治療開始から3年間は1週間に1回、その後は2週間に1回で体調により1週間に1回に変更したりしながら、体調管理を致してまいりました。

治療後は、「温泉に入ったようだ!」と言い帰宅されていました。

   (ご自身の都合により、現在は治療を致しておりません)